【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

「その令嬢達の名前をお聞きしてもいいですか……？」

「確か……バルーゼ子爵家のマーシャ嬢、ミドレス伯爵家のアン嬢とレレナ嬢、ビビット侯爵家のライラック嬢だったか。一番、症状がひどかったようだ。かなり取り乱していた」

「……う、そ」


フランチェスカはレオナルドから名前を聞いて信じられない気持ちだった。
やっぱりと思ったのと同時に大きなショックを受けていた。


「フランチェスカ嬢？」

「この方達は全て……オルランド公爵家で一緒にお茶をした令嬢です」

「なんだと？」


それにはいつも感情を荒げないレオナルドも驚いている。


「聖獣達はキャシディ様に接触をしていませんでした。接触していたのは……マレーです」


マレーは皆と共に集まっていた。
最近は大きな舞踏会もパーティーもない。
それにキャシディに呼ばれた人たちは派閥や家同士の仲の良さなどは関係なかった。

(キャシディ様は何を基準に令嬢達を選んでいたの？)

このことが偶然には思えなかった。
するとレオナルドは不思議そうに口を開いた。