【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「たしかに聖獣は基本的に病に侵されることも、老いることもない。もちろん怪我はすることもあるが、人よりも早く治る。それでもグレイシャーは君の力で救われた……もしかしてそのことで肩身を狭い思いを?」
「えっ……!?あっ、そうですわ。ねぇ、マラキ……!」
「う、うん!そうだね」
「あまり必要とされませんし、言ったとしても信じてもらえないことも多くて」
「そうだったのか」
レオナルドは納得したように頷いた。
「それならばエディマーレ男爵領で体調がなるという理由がわかる気がする。聖獣が元気になれば人も気分が明るくなる。フランチェスカ嬢のお陰なのだろう?」
レオナルドはキラキラとした視線をこちらに送っている。
しかしそれならばフランチェスカとシュネーの力が利用されることもない。
聖獣が体調を崩すのは稀だからだ。
訳あり令嬢としての理由も『信じてもらえない』のであれば納得してもらいやすい。
今まで必死に力を隠してきて、バレてしまうと思っていたが、レオナルドが認識した通り『聖獣を治療できる』となればフランチェスカは以前と同じ思いはせずに、欲望のまま利用されることなく済みそうだ。