【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

「それに聖獣が聖獣を傷つけるなんて信じられません」

「……魔獣。聖獣が傷つけられるのだとしたらマレーは魔獣の可能性はないでしょうか?」

「魔獣はグレイシャーの力でこの国には入れないはずだ」


レオナルドの言う通り、ロドアルード王国は他国とは違い神獣グレイシャーのお陰で魔獣が入り込めない。
他国は武力で対抗するしかないのだがロドアルード王国は違う。
しかしそれでは他国に攻められた時に対処できないからと、レオナルドの提案により騎士達の育成に力を入れている。
レオナルド自身も剣の訓練に毎日励んでいた。


「マレーについて少し調べてみよう」

「レオナルド殿下、お願いいたします。私は体調を崩した令嬢達の聖獣の治療に回ろうと思います。問題は……」

「それがキャシディにバレた時に彼女がどう動くかだな。フランチェスカ嬢が危険な目に合うことだけは避けたい」

「シュネーと私がマレーの毒牙にかかれば治療できるの者は……」


そう言いかけてフランチェスカは言葉を止めた。
シュネーが魔獣になる原因を作った体調不良。
フランチェスカとシュネーが長く時間を共にしたのはグレイシャーかマレーだけだ。
シュネーが具合が悪くなり、治療できる人はいなくなってしまった。
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