【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「たしかにキャシディ様がレオナルド殿下に執着しているとなれば、自分を認めないグレイシャー様を攻撃する理由も、レオナルド殿下に近づこうとする令嬢達への攻撃もわかる気がします」

「キャシディ様は邪魔者を消し去るためにマレーを利用しているのね」

「姉上に接触したのは、グレイシャー様の体調がよくなった原因を探るため……ではないでしょうか?」


マラキの言葉にレオナルドとフランチェスカは目を丸くした。
改めてマラキの優秀さに鼻高々なフランチェスカとは違い、レオナルドは苦い顔をしている。
責任感の強い彼のことだ。きっと自分を責めているのだと思った。


「でも唯一の対抗策の姉上とシュネーが潰れてしまえば聖獣達を治療する手立てはない」

「今回の件、慎重に動かなければフランチェスカ嬢にもシュネーにも危機が及ぶ。どうしたものか」


シュネーもキャシディには近づかなかったが、マレーはシュネーとは毎回、遊んでいたことを思い出す。
フランチェスカも聖獣達に苦しんでほしくはない。
レオナルドもグレイシャーを心配していた。
フランチェスカはシュネーを苦しませてしまった辛い記憶を持っている。

(もう誰にもあんな思いをさせたくはない……!)

フランチェスカが膝の上でグッと手を握った。
このまま放置しておけばいずれフランチェスカとシュネーのようになってしまう。
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