【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「……確かにそうですが」

「そしてマラキ、君も来てくれないか?そうだな……コルビンの友人として王家に来た。フランチェスカ嬢はその付き添いとして来たことにしてカモフラージュすればいい。フランチェスカ嬢が王家にいても怪しまれない」

「それはいい案ですが、キャシディ様がレオナルド殿下に近づく姉上を許すとは思えません!」

確かにマラキの言う通りだった。
幼い頃から城を出入りしているキャシディを急に出入り禁止にしたら怪しまれてしまう。


「だから別の存在を用意しよう」


レオナルドの提案の意味がわからずに、フランチェスカとマラキは首を傾げた。


「フランチェスカ嬢が来る少しまでに架空の女性を用意する。聖獣を治療できる特別な力を持つ女性だ。そしてその人がグレイシャーの治療をしてくれたと発表すればいい」

「え……?」

「その女性はグレイシャーに気に入られて、近々、俺との婚約を発表するかもしれないと嘘の噂を流していく。平民ということにするのもいいかもしれない」

「なるほど!そうすれば姉上に目が向くことはないですね」

「ああ。いくら探しても情報は出てこない。キャシディは焦り、その女性を潰そうと動くだろう。暫く泳がせてその女性には聖獣がいないとわかったとしたら……?」
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