【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
見つめ合う両者に挟まれたフランチェスカは戸惑いを隠せなかった。
その後、マラキが「僕はシュネーと共にここをでますので、後はごゆっくり」と言ってシュネーを抱え上げた。
シュネーはクークーと鼻を鳴らして寂しそうに鳴いていたが、マラキが心配で扉の前に待機していたベネットによって首根っこを掴まれるようにして連れて行かれてしまった。

フランチェスカはシュネーが側にいないままレオナルドとこうして顔を合わせることは今回に関しては、はじめてだった。
いつもかっちりとした格好をしているレオナルドだが、こうしてラフな格好もよく似合う。
シンプルだからこそ素材のよさが引き立つというものだろう。
レオナルドの端正な顔立ちを見ながら、フランチェスカはしみじみと思っていた。
扉の外で待機していたヤナはレオナルドとフランチェスカの前に紅茶が置いて嬉しそうにしながら去っていく。
この後、ヤナに根掘り葉掘り聞かれそうだと思いながらフランチェスカは喉を潤すために紅茶のカップを持ち上げた。


「どうして私なのですか……?」

「以前言った通りだ。フランチェスカ嬢だから好きだと思った。確かに関わった時間は短いけれど、適当な気持ちで想いを伝えているわけではない」


あまり感情の起伏げ少ないレオナルドの頬が、ほんのりと赤く染まっていくのがわかる。フランチェスカも照れてしまい思わず俯いた。
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