【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
バルーゼ子爵家のマーシャ、ミドレス伯爵家のアン嬢とレレナ、ビビット侯爵家のライラックも皆、フランチェスカに感謝していた。
フランチェスカも元気になって涙ながらに聖獣を抱きしめる姿を見て安堵していた。
そして以前は絶望感で消えていたある気持ちを思い出す。

(わたくしは……この笑顔のために力を使っていたんだわ)

皆の協力のおかげでフランチェスカとキャシディが直接、接触することはなかった。
そしてキャシディがよくなった聖獣達の様子が気になり、令嬢達に接触する前に、レオナルドとグレイシャーを治した女性との婚約が一週間後のパーティーの時に発表されるとの噂をオルランド公爵にも伝わるように流して彼女達に被害が及ばないようにする。
万が一のため、令嬢達にはマレーには絶対に近づかないように注意を呼びかけた。

噂が広まるにつれてキャシディはこちらの思惑通りに動いた。
まずはレオナルドの相手の女性について根掘り葉掘り聞いてきたこと。
そこでさらに『平民』というワードを流す。
貴族の令嬢ならまだしも平民となるとキャシディは全く知らないだろう。
引くどころか躍起になってその人物を暴こうとした。

グレイシャーに気に入られているという情報を裏づけるように聖獣を治療している女性の部屋の元にはマレーが入り込まないようにグレイシャーを配置していた。
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