【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
そしてキャシディと対峙した際の反応や動きを見ていくというものだった。
何かあれば大変だとレオナルドは大反対した。
フランチェスカの希少性の高い力を知った国王や大臣達も反対したがフランチェスカは譲らなかった。
シュネーも賛成してくれた。
フランチェスカはこれ以上、誰にも傷ついてほしくないと思っていた。


「フランチェスカ……危険だ!」

「けれど、誰かはこの役をしなければなりません。向こうがどう出るかわからない以上、誰がこの役をしても危険になってしまいます」

「フランチェスカに何かあれば俺は……っ」

「それなら大丈夫です」

「え……?」

「レオナルド殿下が私を守ってくださると言ったではありませんか」


フランチェスカがそういうと、レオナルドは大きく目を見開いた後に唇を噛んだ。
そして深呼吸をした後にフランチェスカの前に剣を鞘ごと出して持ち差し出した。


「フランチェスカは俺とグレイシャーで必ず守る」


フランチェスカはレオナルドの手にそっと自らの手を重ねてから目を閉じた。


「お願いします。レオナルド殿下」

「ああ、任せてくれ。グレイシャー、頼むぞ」


グレイシャーはフランチェスカに体を擦り寄せた。


「ふふっ、グレイシャーもありがとう」


シュネーも立ち上がり前足でフランチェスカの足を何度も引っ掻いてアピールしている。
まるでシュネーもフランチェスカを守るからと伝えてくれているのだと思った。

(きっとうまくいくわ。絶対に大丈夫……!)

恐怖に震える手……レオナルドがそっとフランチェスカを抱きしめてくれた。
いつもならすぐに腕から抜け出そうともがくフランチェスカだが、今日はレオナルドの腕の中で皆の無事を祈っていた。
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