【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「やはり呪いの力だったのか？お前は悪しき魔獣と契約したんだ」

「悪女めっ！聖獣を呪ったのだな」

「呪いを解かなければ聖獣を失ってしまうのか！？」

「やはりコイツらのせいだ！　フランチェスカ・エディマーレとシュネーを殺せっ」

「皆さまっ……聞いて！　シュネーのせいではっ！」


フランチェスカは城に連れてこられてから国のために毎日、力を使って人々を救ってきた。
なのに、今は「裏切り者を許すな」「悪女を今すぐ殺せ」と言って責め立てられている。
フランチェスカの頬からは次々と涙が伝っていく。

(私は何のために……？)

フランチェスカとシュネーの元に様々なものが投げつけられる。頭に花瓶が辺り、フランチェスカは頭部を押さえた。
手のひらにはベッタリと血がついていた。
その間も黒い煙がシュネーとフランチェスカの体を蛇のように巻きつきながら蝕んでいく。

ここが現実だと思いたくなかった。
フランチェスカは暴れるシュネーを抱えながら必死に首を横に振る。
すると颯爽と現れたのは国を守る神獣グレイシャーだった。
フランチェスカとシュネーを守るように前に立ち、威嚇するように白銀の毛を逆立てている。
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