【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

(ひとりにしてごめんね……シュネー。また契約してくれてありがとう)

肩を揺らして大泣きするフランチェスカに会場は静まり返っていた。
フランチェスカは神官に促されるようにして階段を下りていく。フランチェスカの様子が心配で前の方に迎えに来た父がフランチェスカの背を押して壁際まで移動する。


「シュネー、ごめんね……！本当にごめんなさいっ」


シュネーは困惑した様子でフランチェスカの目元から溢れる涙を舐めていた。そのうちピタリと動きを止めたシュネーはフランチェスカにピタリと寄り添うようにして丸まっている。

(今度は絶対に守るから……！)

そんな決意を胸に契約の儀を終えたフランチェスカは馬車の中でもシュネーを抱きしめて涙を流しながら、エディマーレ男爵領に帰ったのだった。

目を真っ赤に腫らして帰ってきたフランチェスカを見て母は驚いて父を問い詰めた。嫌なことを言われたのではないかと心配して混乱する母に父はシュネーと会った途端、この調子なのだと説明していた。


「フランチェスカ、大丈夫？」

「ごめんなさい、お母様……！シュネーと契約できたことが嬉しくて涙が出たのです。ですが心配しないでください。もう大丈夫ですから」

「そうなのね」