【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
病が良くなり一週間経った日、まだ体力が戻りきらないマラキは部屋でリハビリをしていた。
幼い頃からずっと病に侵されていたマラキはずっと寝たきりだったため体力も筋力なく、病が治ったからとはいえ急に周りの子供のように動くことはできない。
フランチェスカはマラキが歩けるように肩を貸していたのだが、一休みするために椅子に腰掛けて紅茶を飲んでいた。
部屋中をグルグルと元気よく走り回るシュネーを見ながらマラキはポツリと呟いた。


「ねぇ、姉上」

「どうしたの?どこか痛むの?」

「ううん、違う。聞きたいことがあって」

「何かしら?」

「僕の病気を治したのは姉上とシュネーだよね?」

「ブ───ッ!?」


紅茶を吹き出したフランチェスカにマラキは特に驚くこともなく何事もなかったかのように侍女を呼んで布を持ってくるように頼んでいる。

マラキはフランチェスカとは真逆で昔から物静かで冷静に物事を判断していた。
病のせいもあり年齢の割には大人びていて何かを悟っているマラキがフランチェスカにはなんだか寂しく思っていた。
あの日、夜中にマラキの部屋にこっそり忍び込んで治療していたはずだったがマラキにはバレていたようだ。
フランチェスカを動揺を隠しきれずに否定するために口を開いた。
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