【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「マラキ……あなたすごいのね」
「そうでもないよ。姉上も父上もお人好しだから、僕が頑張って男爵家を守っていかなきゃって思っていた。今まで姉上やお母様達に迷惑をかけてばかりいたから病が治った今、遠慮するつもりはない。姉上がしてくれたように僕も姉上を守りたいんだ」
「マラキ……」
マラキの言葉にフランチェスカは感動していた。
「でも今までの姉上だったら手当たり次第、色々な人たちを治して喜んでいそうだけど、どうしちゃったの?」
「そ、それは……私も冷静に考えて、そう思ったのよ!」
「ふーん、変な姉上」
「も、もし私がシュネーの力を使って治療を始めていたらどうしてたの?」
「姉上は基本的に真っ直ぐで自分の決めたことを貫き通す人だから、僕には止められないって思うよ。それに僕が内密にした方がいいと言っても、姉上はみんなのためにって力を使うと思う」
「うっ……!」
全てマラキの言う通りすぎてフランチェスカは何も反論ができなかった。そしてエディマーレ男爵家にはこんなに頼もしい後継ぎがいたのかと安心したのだった。