【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
(レオナルド殿下のことは、もう忘れましょう……!)

フランチェスカは腕まくりをしながら、泥だらけのシュネーを抱えて近くの川に向かったのだった。
フランチェスカが丸洗いされてくったりとするシュネーを抱えて邸に戻ると、父と母が肩を寄せ合って何かを見つめながら嬉しそうにしていることに気づく。
そこにはマラキもいる。
両親はフランチェスカの姿を見つけると大きく手を振った。
手招きしているのを見て二人の元に駆け寄った。


「お父様、お母様、どうかされましたか?」

「これを見なさい!フランチェスカ」


父から差し出された豪華な封筒には王家の紋章で封蝋が押されている。


「これは……?」

「王家で急遽開催することとなった舞踏会の招待状だ」

「こんな時期に舞踏会ですか?」

「表向きは舞踏会だが、レオナルド殿下の婚約者探しだろうな」

「そうねぇ、以前王都に果物を献上しに行った時に王妃陛下が嘆いていたから……今回は思いきったのね!」

「フランチェスカも年頃だし、たまには華やかな場に顔を出すのもいいのではないか? 新しい出会いがあるかもしれないぞ?」

「……はい」
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