【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「さて、いつも頑張ってくれているフランチェスカのために色々と買い揃えに行こう!」

「お父様、ですが……!」

「賛成です。新しいワンピースもアクセサリーも買いに行きましょう!姉上はもっと我儘を言ってもバチは当たりませんよ?」

「……マラキ」

「エディマーレ男爵家のために頑張ってくれてありがとう。あなたには苦労ばかりかけているから今度はフランチェスカにも自分の幸せを掴んでほしいわ」

「お母様……ありがとうございます」


家族の温かい言葉に後押しされるようにフランチェスカは目元にじんわりと浮かぶ涙を拭った。
フランチェスカはいつまでもエディマーレ男爵家にいることはできない。
エディマーレ男爵家のためにも、折角ならばいい家と繋がりを持たなければと考えていた。
そんなフランチェスカの考えを見通していたのか「家のことは考えなくてもいいからフランチェスカの幸せを第一に考えてちょうだいね?」と、母に有無を言わせぬ笑顔で言われてしまいフランチェスカは頷くしかなかった。

(こうなったらみんなのためにも舞踏会で素敵な令息と出会って恋をするのよ……!会場にいるどの令嬢よりも輝いてみせるわ)
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