【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

「国に何かあるかもしれないって時に舞踏会を開くんですって！お貴族様は呑気よねぇ」

「ほんとほんと。あり得ないわ」


フランチェスカはその言葉にドレスを選んでいた手を止めた。
そして女性達の元に近づいてフランチェスカは二人を引き留めた。
女性達はフランチェスカが貴族だと気づいたようだ。
罰を受けると思っていたのか泣きそうに身を固くしている。
しかしフランチェスカはそんなことはどうでもよかった。

フランチェスカは二人にグレイシャーや王家の状況について知っている限り話して欲しいと頼む。
女性達は戸惑っていたが、フランチェスカにグレイシャーの状況について話してくれた。

つい数ヶ月前から公に出る機会が減っていったグレイシャー。
神獣のグレイシャーが体調を崩すことは何か悪いことの前触れではないかと王都では噂されているそうだ。
今はレオナルドがグレイシャーに付き添っているそうだ。

(王家からそんな発表はなかったけど……そんな大変な状況にあるのに、どうしてこのタイミングで舞踏会を？)