自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
そう言って左手をリリアーヌの腰に回したまま右手でリリアーヌの左手を取った。そのまま私の手を自分の口元へと持っていき、キスを落とした。その姿が紳士的でリリアーヌの頬と、回りで見ていた女性達の頬を染めた。
そんな中、こちらに視線を向け、おどおどとする少女の姿があった。
「あの……碧青の騎士様?」
先ほど食事を運んでくれたウエイトレスの少女に視線を向ける。
「どうかしましたか?」
「私……その……」
何かを言おうとしているようだが、言葉に詰まり何を言おうとしているのか分からない。そんな少女にリリアーヌが微笑みかけると、少女の瞳から涙が溢れ出した。
「どうされたのですか?なぜ泣いていらっしゃるのですか?」
リリアーヌはグランツ様から離れ、少女の肩に触れた。すると少女が勢いよく頭を下げてきた。
「ごめんなさい。私……とんでもない勘違いをしていました。団長様が浮気をしていると……」
鼻をすすりながら少女が、頭を下げ続けてくれた。
「ふふふ…大丈夫ですよ。私を思って怒ってくれたのでしょう?初めこそ驚きましたが、話を聞いているうちに勘違いだと分かりましたから……大丈夫です」
「でも……でも……」
「大丈夫です」