自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
「おい、聞いたか?昨日来た行商人が言ってたんだけどよ。ガルレシアが妙な動きを見せてるんだとよ」
「はぁ?何言ってんだよ。あそこは平和条約を結んだ同盟国だろうが、今更何するって言うんだよ?」
「戦争でもまたおっぱ始めるつもりかもよ」
「まさか……」
リリアーヌは酒を飲んでいた男二人に背後に立ち、言葉をさえぎった。
「その話し、私にも聞かせて欲しい」
男二人が振り返り、驚愕の眼差しを向ける。
「なっ……あんた」
「「碧青の騎士様か!!」」
酒を飲んでいた男達の声が、見事に重なった。
「それで?どういうことだ?」
「ああ、それが……」
男達の話では、旅をしながら行商を行う行商人が、国境近くに集まるガルレシアノ兵士を見たらしい。他にも、鉄や火薬と言った物騒な物を輸入していて、その量が少し異常なのだとか……。
また戦争でも始めるつもりなのかと、疑われても仕方がない。
ガルレシアはこれからどう出るつもりなのか……。
来月の建国祭には確か、王族の出席は無い。その代わりに国の参謀と言われているレモンド伯爵が来る予定だった。それなら国境近くにそれほどの兵士を置くことはおかしな話し……。いくら参謀と呼ばれる人間でも、そこまでの兵士を使って守る価値があるのか……?
ここで得られた情報はここまでだった。
後は、この国の諜報員に委ねることになるだろう。
「ふぅーっ」
リリアーヌは大きく溜め息を付いた。