自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!

 リリアーヌは黒フードの男達を見つめ、瞳を細めると青緑色の瞳が妖艶に光輝いた。

「さあ、一緒に踊ろうか死の輪舞曲」

 リリアーヌは剣を構えながらステップを踏む。それはまるで踊っているかの様に優雅に見え、リリアーヌがまとう美しさに男達が一瞬飲まれた。……が『死の輪舞曲』という言葉で我に返る。

「きっ……貴様っ鮮血姫か!」

「だったら?」

 ふふふっ……と妖艶に笑う目の前の女に男達がゴクリと喉を鳴らした。

「貴様のせいで同胞が何人死んだと思っている!」

「知らないな」

「しらないだと!」

「私に立ち向かって来るのなら戦う。お前達もそうだろう。それに私の仲間も……」

 そこまでリリアーヌが言葉にすると、男が飛びかかってきた。

「うるさい、うるさい、うるさい、死ねーーーっ!」

 男の声に合わせるかのように黒フードの男達が一斉に剣を向けこちらに飛びかかってきた。リリアーヌはそれを全て受け止め、一気に上へと振り上げる。すると、男達が体勢を崩した。それをリリアーヌは見逃さず、次々に男達の腕や足目掛けて斬りつけていった。

 これで剣を持ち動く事は出来ないはず。

 動けなくなった男達を回りで見ていた騎士達が拘束していく。

 これで最後……最後の一人となった黒フードの男の喉元にリリアーヌは剣を突きつけた。

「これで舞踏会はお終いだよ」

 青緑色の瞳がキラリと光り、圧倒的なオーラを放ちなが微笑んだ。

 リリアーヌに剣を突きつけられた男は持っていた剣を落とすと、両手を挙げた。

「くっ……俺達の負けだ」

 力なくそう呟いた男を騎士が拘束した。




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