自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
リリアーヌが見つめる視線の先で、ルーニの体が崩れる様に倒れるのが見えた。ルーニは苦しそうに呼吸を繰り返しながらこちらを見ている。
リリアーヌは唖然としながらグランツ様の服をギュッと握り絞めた時、騎士の一人が叫んだ。
「団長!ルーニが毒を服用したようです!」
毒……。
そう言えば、ドミニク殿下の誕生祭で拘束した黒フードの男達も毒を飲んで自害していた。
ルーニがそれを持っていてもおかしくは無い。
私はルーニに駆け寄った。
「ルーニどうして……」
ルーニは苦しそうに呼吸しながら口を開いた。
「俺は生きていてはいけない人間なんです。ハァ……だから良いんです……」
「生きていてはいけない人間なんていません」
「あなたは……ハァ……そう言うでしょうね……っ……でも……俺が生きていれば、また……ガルレシアが……ぐっ……カハッッ……」
ルーニは喋りながら吐血した。
「誰か医者を早く!」
リリアーヌが叫ぶと、ルーニが首を振った。
「無理ですよ……ハァ……この毒に効く解毒剤は存在しません……」
「そんな……」