自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
リリアーヌ様の叫び声が聞こえる。
俺を思って泣いてくれているのだろう。
もうあなたを見ることも出来ない。
声も聞こえなくなってきた。
手足の感覚も無く、暗闇に引きずり込まれていく。
リリアーヌ様……あなたはいつもキラキラと光輝いていた。そんな光輝くあなたが眩しくて何度も目を細めた。俺はあなたを遠くから見つめているだけで良かった。それなのにあなたの隣に立つことを夢見てしまった。
望んでしまった……。
それがいけなかった。
そのせいであなたを悲しませた。
光輝くあなたの世界に俺も連れて行って欲しかった。
あなたに救って欲しかった。
とんだ甘えだ。
だからダメだったんだ。
女々しいな……。
救って欲しいだなんて……。
それでも、誰よりもあなたを愛していた。
この思いは団長にも負けていないと思っている。
リリアーヌ様……俺が幸せにしたかった。
どうか幸せになって下さい。
この先あなたが笑顔でいられますように……。
俺はそう願いながら意識を暗い闇の中へと沈めていった。