自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
リリアーヌが溜め息を付いていると、騎士数名がリリアーヌに近づいてきた。
「お嬢さん、何かご用ですか?こんな所に何しに来たんですか?」
そう聞いてきたのは、赤茶の髪をした青年騎士だった。
騎士団の訓練や鍛練法を見に来たとも言えないリリアーヌは、サラに持たせていたお菓子の入ったカゴを受け取ると、青年騎士に手渡した。
「あの、これ……差し入れなのですが、皆さんで食べて下さい」
赤茶の髪の青年騎士の他、周りにいた若い騎士達が瞳を輝かせながらリリアーヌを見つめた。
「マジか……」
「ウソだろ……」
「こんなことが現実に起こるなんて……」
「「「ありがとうございます」」」
騎士達から一斉にお礼を言われ、リリアーヌがクスクスと笑うと、騎士達の頬が赤く染まっていく。
「うっわ……マジで可愛い。お嬢さん、俺カイスって言います。俺と友達になってもらえませんか?」
そう言って赤茶の髪の青年騎士カイスが、私の手を握ってきた。
「ほえ……?」
思わず呆けた声を出すと、騎士達が悶絶し始めた。
「くっ……可愛すぎるだろ」
「ぐはっ……。可愛すぎか……」
「天使……」