自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!

 *

 初めて鍛練場に出向いた日から、サラには鍛練場に顔を出してもらっていた。と言うのも、あの後辺境での鍛練方法について話した。すると騎士団の皆がそれに興味を示したため、それを実行すべくサラには鍛練場に出向いてもらっている。今までの自分の好きな鍛練のみでは無く、集団での鍛練法も取り入れてもらった。実践に使えそうなモノは、サラを通して実際にやってみてもらう。これで少しは騎士団の現状が良くなることを願いたい。サラが鍛練場に行っている合間に、リリアーヌは街の巡回を行う。騎士団での報告や、街の様子などをサラと報告し合ったり、自分の鍛練を行ったりと、一日があっという間に過ぎていった。

 そんなある日、街で不穏な話しを耳にする。

「それは本当の話か?」

 リリアーヌは食事をしていた男性の背後に立ち、低い声で声を掛けた。リリアーヌの声に驚いた男性が振り返りながら、声を上げた。

「なっ……あんた、碧青の騎士か?」

「だったら?良いから今の話をもう一度」

「いや、その俺もちょっと聞いた話で、本当の話かは分からない」

「それでもいい」

「そうか、それでいいなら……」



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