自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!

 *

 王太子殿下生誕祭当日……リリアーヌがグランツの元へと嫁いできて3ヶ月が過ぎていた。今日リリアーヌは王太子殿下誕生祭の会場に潜入する。

「サラ準備は出来ている?」

「はい。大丈夫です」

「さすがに剣は持って入れないわよね?」

「そこは問題ありません」

「どうするの?」

「……それはお教えいたしかねます」

「…………」

 こう言った時のサラに、何を聞いても教えてくれないことをリリアーヌは良く知っている。

 サラが大丈夫だと言っているのだから、大丈夫なのだろう。

 それより王太子殿下生誕祭の開かれる舞踏会にどう潜入するかなのだが、そのへんもサラが手はずを整えている。本当に出来たメイドだ。

「リリアーヌ様、ボーッとしている場合ではありませんよ。早くお支度を調えませんと、間に合わなくなります」

 サラに促され、リリアーヌは用意されていたドレスに身を包んだ。今日用意されたドレスは濃い青から裾に向かって薄い水色へとグラデーションされた美しいドレスだ。



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