自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
王族の登場が終わると、貴族達の王族への挨拶が始まる。挨拶のための長い列が出来上がるが、当然リリアーヌはその列には並ばない。グランツ様と視線が合わないよう気をつけながらグランツ様を盗み見る。
キャーー!
素敵すぎる!
赤く炎ような赤髪に、金色の瞳が鋭く獣の様で、厚い騎士服を着ていても分かる、その筋肉。その大きな体躯に抱きしめられたら、すっぽりと覆われてしまうのでしょう。きっと安心感は半端ないはず。
グランツ様に抱きしめられる想像をしながらポーッしてしまう自分に活を入れる。
ダメダメ!こんな時こそ集中しなくちゃ。
その時、「キャーー!」と悲鳴が上がり、扉を破った数人の黒フードの男達が乱入してきた。リリアーヌは状況を確認し、グランツ様の方を見ると、王族を守る様に前に出るが、それ以上に前に取ることは無い。
良い判断です。
グランツ様にはそのまま王族の方々を守っていてもらおう。
扉の前ではそれ以上の侵入を防ごうと、騎士数名が黒フードの男達と対峙する。剣がぶつかり合う音が会場内に響き渡ると、更に悲鳴が上がり、貴族達がパニック状態となる。我先にと出口の扉へと向かう貴族達。
「うわーー」