自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!

 *

 次の日の朝、カーテンの隙間から温かい日差しが差し込んでいた。そっと瞳を開けると、サラがカーテンを開けてくれた。窓の外を見ると空は蒼く、所々には白い雲が浮かんでいた。今日もとても良い天気だと、いつもなら笑顔でそれを見つめるのだが、リリアーヌの表情は曇っていた。本日は王城に行くとグランツ様に言われている。グランツ様だけではなく、私も呼ばれた理由はきっとあれだ……。黒フードの男達を殲滅(せんめつ)したことについての説明だろう。そうなると王太子殿下生誕祭に忍び込んだことまで話さなければならない。私は今日断罪されるのだろう。どんな刑罰が言い渡されるのか全く分からない。良くて一生を牢屋で過ごすか国外追放で、最悪が処刑だろう。

 最悪な結末しか頭に浮かばない。

 リリアーヌはサラに手伝ってもらいながら、いつもより豪華なドレスに身を包んだ。王城に行くためにはこれぐらいの正装をしなければならない。しかし、断罪される私にとっては滑稽にしかならない。

 リリアーヌはゆっくりと階段を降り、玄関まで降りていくと外では準備を整えたグランツ様が待っていた。正装姿のグランツ様……その姿はとても凜々しく、強いオーラを放っていた。

 今日もとても素敵です。

 ぽわわーんっと音がしてきそうなほど、ポーッとグランツ様を見つめていると、そんな私の前にグランツ様が右手を差し出してきた。

「リリアーヌ、よく眠れたか?今日のドレス……良く似合っている」

 グ……グランツ様が褒めてくれた。

 嬉しすぎる。



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