自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
すれ違う二人
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本日、リリアーヌは王城の大広間へとやって来ていた。目の前には玉座に座る国王と王妃、その後ろにはドミニク王太子殿下が立っていた。大広間には国の重鎮とも言われる人々も集まっていて、私は緊張から心臓が飛び出しそうなほどだと言うのに、王族達はこちらに微笑みを浮かべていた。どうしてこのような状態になったのかというと、ローズ様が帰ってすぐのことだった。私はグランツ様に呼ばれ、執務室へと急いだ。
そして、そこで聞かされたのは、王城にまた呼ばれていると言うことだった。
何故にと思っていると、グランツ様が説明してくれた。
何でも、王族一同でお礼が言いたいと言うことだった。
いやいやいや……それは止めて欲しい。
それに先日、王太子殿下にお礼を言われたばかりだ。
もうそれで十分だ。
だと言うのに、事態は最悪の方向に動き出していた。