自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
私に褒美か勲章を与えたい……。
王がそう言っているとリリアーヌの好きな、困ったような顔で微笑みながらグランツ様が言った。しかも褒美を与える場として貴族を集めた舞踏会まで開くと……。
私のためなんかに、そんな大がかりなことは止めて頂きたい。
リリアーヌはグランツ様に丁重にお断りして欲しいと訴えた。
私の為にその様な舞踏会など滅相も無いと。
それにあの日、黒フードの男達を討伐させるために動いたのは私だけでは無い。騎士団の騎士達が尽力を尽くし、体を張ってくれたからこそ、あの程度で済んだのだ。
必死に訴えるリリアーヌに答え、グランツ様が王族に掛け合ってくれたおかげで舞踏会は無くなった。しかし、王城に上がることは決定事項となっていた。
王族からの呼び出しだ。断ることなど出来るはずも無く、今日という日がやって来てしまったのだ。