【短編】夏空よりも眩しいきみへ
終始こちらを見ない彼女の両端にいる2人が、
『ほら、昼休み終わっちゃうよ』
『四谷くん待ってくれてるから』
と、彼女を急かす。
コクンと頷きながらも、なかなか声を発しない。発せないんだ。
小学生の頃、あの噂が流れて『気にしないでね!』と羽奈に言われた時の俺みたいだ、なんて思う。
申し訳ない。
本当に。
こんなに緊張して、一生懸命伝えようとしてくれる子を前に、別のことを考えるなんて。
微かに息を吸う音がして顔を上げると、俯いていた彼女とやっと目が合った。
「……四谷くん、あのね、私……四谷くんのことが、好きなの!!……四谷くんが誰とも付き合わないって言うのは知ってるけど、そのっ……まずは、」
「お友達から?」
俺がそういうと、彼女が少しホッとしたような顔をした。
「……え、いいの?」
そんな嬉しそうな顔をしないでくれ。
俺は今から、サイテーなことを言うから。