【短編】夏空よりも眩しいきみへ
踊り場で告白された日から3日がたち終業式が終わった。
あれから、俺がめちゃくちゃひどい振り方をしたと噂されるようになったけど、明日からやっと夏休み。
休みが明ける頃には、みんなそれを忘れてくれているだろうと思うと、そこまで気にすることでもない。
……羽奈に、どう思われているかは、心配だけど。
放課後、永岡も大江も彼女を作ることができなかったとうなだれながらも、最後の最後まで、クラスの女子に声をかけて、何人かとはグループで遊びに行く約束ができたと喜んでいる。
「四谷も行くか!」
「俺はいい」
「えぇーつまんねぇーお前がいたら絶対他にも女の子来るのに!」
「頑張れ」
「お前なぁ!イケメン滅びろ!」
大江の声を無視して、教室を出て廊下を歩く。
夏休み……その間に、もし吉川先輩が羽奈に告ったら……。
俺の頭の中はそんなことでいっぱいでも、何か行動を起こすことなんてできなくて。