あなたと出会えて…
遠くの方でそんな声がしたけど、私は気にしないで理科室に向かった


「あ、あった」


あのまま理科室へ行き、無事筆箱も見つかった


(紗英ったら、あんな教室のど真ん中で言うことじゃないよ…)


さっきのことを思い出してしまい、赤くなった顔を手であおいだ



そんな事を考えながら、理科室を出ようとした時だった


「あれ、奈々じゃん」


どこからか私の大好きな彼の声が聞こえてきた


「翼…?どこにいるの??」


「ふっ。ここ、ここ」


「え…?どこ?」


理科室中を見回してもどこにも見当たらない


(え…。まさか私の幻聴…?!)
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