そのままの君がすきなんだってば!
「今日もDI:最高だったね!」
ライブの帰り道、服装もメイクも
すっかり変わった華ちゃんと私は
感想を言いあいっこする。
『こう、胸に響くっていうか。
 音楽聴いて泣けるって素晴らしい
 ことだよね!』
「うん!杏はDI:に出会ってから
 音楽の先生になるって決めたんで
 しょう?」
『うん。音楽で人に色んなこと
 伝えられるのって凄い事じゃん!
 だから、先生になったら生徒たちに
 いろんな音楽を教えてあげたい、
 そう思っているの。こう思わせて
 くれたのもDI:のおけげだよ☆』

華ちゃんと別れて部屋に入る。
ライブの熱がまだ治まりきらない私は
大音量でDI:をかける。
私の部屋、家を建てる時に唯一お父さんに
わがままを言って作ってもらった完全
防音された部屋なの。
だから外に音が漏れないの!
家族も私がDI:のような激しいバンド
を好きだなんて、ロリータファッション
をしているだなんて知らない。

いつか響さんにも言わなきゃいけない
んだろうか…うーん…
< 20 / 61 >

この作品をシェア

pagetop