そのままの君がすきなんだってば!
紅茶をおいて、沈黙を破ったのは響だった。
「ごめんね、急に会いたいだなんて。」

『いえ、そんな…』


「実はね…杏さんに聞いてほしい事が
 あるんだ。」

『…はい。』

響は小さく息を吐きしゃべり始めた。

「私は、父の会社で常務をしている。だけど、
 それは私の仮の姿…なんていっていいの
 かな、本当にやりたいことをしているわけ
 じゃないんだ。…私は、DI:というバンドの
 ボーカル、KYOなんだ!!!」

一瞬、杏はびっくりしたように目を丸くさせた。
そして、静かに口を開いた。


『知ってました?
 私がKYOさんの…大ファンって事!』

そういって杏は照れくさそうにはにかむ。


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