女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 玲人くんは笠松先生ではなく、私に目を向けた。
「ありがと」
 女医さんと聞いて私が笑顔で礼を言ったら、再び笠松先生が手を上げて立候補する。
「だったら子宮頸がんのチェックを俺が」
「それは数日前に終わってる。あっ、もう行かないと。田中さん、彼女のこと頼みます」
 冷人くんは冷ややかに笠松先生に伝えると、腕時計を見て田中さんを見やった。
「はい。お任せください」
 田中さんがニコッとして返事をし、玲人くんがこの場から去ると、笠松先生が軽く溜め息をついた。
「俺が健診できなくて残念」
「はあ。なんかすみません」
 苦笑いしながら笠松先生に謝ったももの、内心では女医さんが診てくれるのでホッとしていた。
 若い男性医師に胸を見られるのは、診察とわかっていても抵抗がある。
「玲人先生、クールでカッコいいよね? 先生とは親戚かなにか?」
「簡単にいうと幼馴染です。慶子先生も知ってて」
「ただの幼馴染じゃないんじゃないの? やけに四条、君のこと気にかけてない?」

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