女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
8,彼女が必要 ― 玲人side
「それで、昨日来たおじいちゃんがね、自分の孫連れて帰るの忘れて帰っちゃって、私がしばらくお孫さんの面倒見てたの。大変だったけど、楽しかった〜。あとね、最近お昼休みに小学生の男の子に勉強教えてるの」
 午前八時すぎ、自宅マンションを出ると、優里がフフッと笑って楽しそうに昨日の仕事のことを報告する。
 それは最近の俺とこいつの日課。
 優里がうちの病院で働き初めてから一週間経った。
「ふーん」
 適当に相槌を打ってスタスタと病院に急ぐと、優里が追っかけてきた。
「ちょっと待ってよ〜。まだ話したいことあるのに。玲人くん、歩くの速い!」
「足の長さが違う。それから、お前朝から喋り過ぎ」
 冷たいコメントを口にしても、こいつはヘラヘラ笑ってついてくる。
「相変わらず冷たいなあ。でも、そこが魅力なんだよね」
「くだらないこと言ってないで、今日もしっかり仕事するんだね」
 ハーッと軽く溜め息をついて、エレベーターに乗ると、中に笠松がいた。
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