女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「おはよう、四条。今日も優里ちゃんと出勤? 院内で噂になってるぞ。優里ちゃんがうちの病院で働き出してから、お前の表情が豊かになったって」
 いつものように顔をニヤニヤさせながら俺をからかってくる。
「変わったつもりはないけど」
 姉にも同様の弄りをされていたので、平然と返した。
 特別なことなんてなにもない。優里がなにかミスをすれば遠慮なく怒っているので、俺の素を見て周囲がそう思うだけ。
「いやいや、なんか優里ちゃんいると、ずっと目で追ってるじゃないか」
 笠松がしつこく言ってきて、思わずハーッと溜め息をついた。
「それはあいつがトラブルメーカーだからだよ」
 再会してからというもの、俺は優里の問題の対処に追われていた。今、ようやく落ち着いてきたところだ。
「本当にそう思ってる? 俺に彼女の胸の健診させなかったのに?」
 楽しそうに目を光らせる笠松がいつにも増してうざったく思える。
「やけに根に持つね。優里が女医希望だったからお前に担当させなかっただけだよ」
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