女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 時計を見ると、午前六時五分。
 頭はスッキリしているし、寝起きも悪くない。
 昨日のショックはないといえば嘘になるが、今は自分のできるベストを尽くそうと思ってる。
 そんな前向きな思考でいられるようになったのは、優里のお陰だ。
 彼女はまだ俺の腕の中で眠っている。優里がいなければ、眠れなかっただろう。
 もう俺の身体はとっくにわかってる。
 優里が必要だって。
 昨日笠松に言われたことがようやくわかった。
 俺は……優里が好きなんだ。
 いつ好きになったかはわからないけど、うちに連れてきて彼女と一緒に生活するうちに好きになったのかもしれない。
 女と一緒に住むなんて無理だって思ってたのに、優里といるとひとりでいるより居心地よく感じた。
 その笑顔も、その声も、その温もりも……もう俺の人生に深く溶け込んでいて、彼女のいない生活は考えられない。
 しばらく起こさずに優里の寝顔を見つめる。
 長いまつ毛、透き通るように白い肌。
 それから……りんごのように赤く色づいた唇。
 
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