女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 改めて彼女を見てみると、今まで会ったどの女性よりも綺麗だと思った。
 まだ小さな子供って思ってたのに、いつの間にこんなに大きくなったのだろう。
 俺の心の目がようやく今の彼女を認識した感じがする。
 綺麗なのは容姿だけじゃない。彼女には邪気がない。
 子供みたいなところはあるし、俺にしつこく絡んでイライラすることはあっても、彼女を嫌いになったとこはない。
 今思えば、昔から特別な存在だったのかもしれない。
 優里が倒れた時うちに連れてきたのは、なんだかんだ理由はつけたが結局のところ彼女が大事だったからだ。
 自分のテリトリーにいるのが当然で、いないと気になる。
 そう思う人間は優里だけ。
 好きだと自覚した今は、彼女がとても愛おしく思える。
 彼女の艶のある髪に触れチュッとキスをすると、そっとベッドを抜け出し、身支度を整えてキッチンへ――。
 冷凍のパンを焼き、オムレツを作っていたら、優里が慌てた様子でキッチンに現れた。
「い、いた。……も、もう玲人くん、起こしてよ!」
 俺の姿を見て安堵するが、すぐに少し怒った顔で俺を注意してきた。
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