女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「やあ優里ちゃん、今夜暇? 俺と一緒にお祭り行かない?」
 この展開は毎朝のことなので驚かないが、真美さんに変な誤解をされたくなくて笠松先生の手を外そうとしたら、横から玲人くんの手が伸びてきた。
「それはダメ。許可できない。うちの優里がお前の影響受けて阿呆になる」
 玲人くんが笠松先生の手を叩き落とすが、笠松先生は懲りずに言い返す。
「恋人じゃないからいいじゃないか」
「手を出したら、お前を社会的に抹殺するけど、いいの?」
 美しい魔性のような笑みを浮かべて玲人くんが顔を近づけると、笠松先生はゴクッと息を飲んだ。
「……よくないです」
 玲人くんは普段はこういう場面だと、「こいつは俺が好きなんだから誘うだけ無駄」とか「懲りない奴」とか冷淡に返すのに……。
 今日はなんだか好戦的じゃない?
 本当にどうしちゃったの?
 ジーッとふたりのやり取りを見ていたら、真美さんがやってきた。
「あっ、笠松先生、また優里ちゃんにちょっかい出してるんですか? 病院でナンパしないでください」
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