女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら～17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます～

「そうですね」
「ねえ、優里ちゃん、今日のお祭り一緒に行かない？」
「笠松先生と行かないんですか？」
「いいの。どうせ美人の看護師さん誘うわよ」
「そうですかねえ」
　笠松先生って真美さん気に入ってると思うんだけど。
　真美さんにわざと怒られにいってるもん。
　その後、制服に着替えて受付業務をしていると、祭囃子が聞こえてきた。
　あ～、浴衣着て玲人くんとお祭り行きたかったなあ。
　でも、仕事あるし、なかったとしても一緒に行ってくれないか。
　お昼休みには五階に行って健くんに勉強を教える。
　問題集の答え合わせをしていたら、また祭囃子が聞こえてきて、健くんがニヤリとして私を見た。
「ねえ、優里ちゃんは今日のお祭り、玲人先生と行くの？　僕は行けないけど、病室から花火見るつもり」
「まあ入院してたら外出難しいよね。……ところで、どうして玲人先生なの？」
　少し狼狽えながら聞くと、彼はどこか大人のような顔をして説明する。
「だって、玲人先生と親しげだったし、なんか独特の空気がふたりの間に流れてたから」