女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
クールに言って、彼は私の手を引いて歩き出す。
 どこに連れて行かれるのだろうと思っていたら、玲人くんのマンションだった。
 なんでマンション?
 ドアを開けて玄関を上がる玲人くんをジーッと見ていたら、彼が私の方を振り返った。
「早く上がれば? もうすぐ花火始まる。うちのベランダから見えるんだ」
 ああ、なるほど。確かに家から見れるならそっちの方がいいよね。
 外はまだ暑いし。神社は人でごみごみしている。
 私も玄関を上がると、キッチンへ行っていくつかおつまみを用意。その横で玲人くんが冷蔵庫からシャンパンを取り出した。
「母さんが置いてったシャンパン。やっと消費できる」
「なんか豪華だね」
 フフッと笑って彼とベランダへ。
 玲人くんがシャンパンをグラスに注ぐと、パンと花火が上がる音がした。
 夜空に咲く綺麗な華。
「……綺麗。こんなに大きく見られるなんて、ホント特等席だね」
 ウッドチェアに座ると、彼がシャンパンのグラスを私に手渡した。
「乾杯」
 玲人くんが自分のグラスを掲げたので、私も「乾杯」と笑顔で言ってシャンパンを口にする。
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