女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 テーブルの上で頬杖をつきながら、玲人くんを見つめていたら、ハーッと溜め息をつかれた。
「お前、花よりイケメンなんじゃないの?」
「それを言うなら花より玲人くんだよ」
 すかさず彼の言葉を訂正するが、軽く流される。
「はいはい。あっ……このトマトとチーズのつまみ美味しい」
 おつまみを口にした玲人くんの感想を聞いて頬が緩む。
「スーパーに美味しいトマト売ってたんだあ。チーズは冷蔵庫にあったの使っちゃった」
「なんか所帯じみた発言。お前が実家で華江さんと野菜の下処理してたの思い出した」
 クスッと笑う玲人くんがとても楽しそうで、花火よりも見入ってしまう。
 ああ、やっぱり……玲人くんが好き。
 両思いになることはなくても、私は一生彼を思い続けるだろう。
 私の目には他の男性なんて映らない。
 綺麗な花火も彼の引き立て役だ。
「四条の家のキッチンで栗の皮むきとかしたっけ。栗ご飯今度作って……あっ、なんでもない」
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