女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 次に目覚めた時には、優里の方が先に起きていた。
 俺の腕の中でモゾモゾと動いている。
「これ……どうやって起きればいいの?」
悩ましげに言う声で目をパチッと開けると、彼女と目が合った。
ビックリしたような顔をしたかと思ったら、すぐに顔を赤くする。
「おはよ」
 すでに一回起きているが、そう声をかけると彼女がますます顔を赤くして挨拶を返す。
「お……おはようございます」
「なんで敬語?」
 昨日のことがあって照れているのはわかっていても、聞かずにはいられない。
「……なんか恥ずかしい。しかも私だけ裸。服着るから……目を瞑ってもらっていい?」
 伏し目がちにお願いしてくる彼女がかわいい。
「もう全部見て知ってるのに、その必要ある?」
 優里の顎を掴んで目を合わせると、彼女が上目遣いに俺を見て訴える。
「だって……明るいんだもん、ここ」
 気にするなと言っても無駄だろう。
「仕方ないな。目を瞑るから早く服着なよ。その代わり、今日は浴衣は着ないでね。また手を出す可能性があるから」
 優里の耳元で告げて警告すると、抱擁を解いて起き上がった。
 
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