女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
生きるためには仕事をしなければならない。少しくらい仕事が大変でも私はそう簡単には辞められないのだ。頼れるのは自分だけなのだから。
「だが、健康診断がないのは今時おかしい。上司に言ってみたら?」
玲人くんのアドバイスを聞いて、曖昧に返事をする。
「うん……そのうちに。あの、ここでいいよ。もうすぐそこだから」
上司になにか言えるほど私の立場は強くない。
「だったら、家まで送る。すぐ着くんだろ?」
「その気持ちだけでいいよ」
自分の古びたアパートを彼に見られたくなかった。
なんとか断ろうとしたら、彼が怪訝な顔をする。
「なにを嫌な顔してる? 散らかってても、文句は言わないよ」
「……びっくりしないでね」
身体がぐったりしていてもう反論する気力がなかった。
玲人くんのようなお坊ちゃまは、私のアパートを見たら衝撃を受けるだろう。
「は? どういう意味?」
首を傾げる彼に構わず、自分のアパートに向かう。
外壁が汚れ、ところどころ蜘蛛の巣が張ったアパートの錆びれた階段を一段一段上って行くと、私の隣の部屋から学生がふたり出て来て階段でぶつかった。
「だが、健康診断がないのは今時おかしい。上司に言ってみたら?」
玲人くんのアドバイスを聞いて、曖昧に返事をする。
「うん……そのうちに。あの、ここでいいよ。もうすぐそこだから」
上司になにか言えるほど私の立場は強くない。
「だったら、家まで送る。すぐ着くんだろ?」
「その気持ちだけでいいよ」
自分の古びたアパートを彼に見られたくなかった。
なんとか断ろうとしたら、彼が怪訝な顔をする。
「なにを嫌な顔してる? 散らかってても、文句は言わないよ」
「……びっくりしないでね」
身体がぐったりしていてもう反論する気力がなかった。
玲人くんのようなお坊ちゃまは、私のアパートを見たら衝撃を受けるだろう。
「は? どういう意味?」
首を傾げる彼に構わず、自分のアパートに向かう。
外壁が汚れ、ところどころ蜘蛛の巣が張ったアパートの錆びれた階段を一段一段上って行くと、私の隣の部屋から学生がふたり出て来て階段でぶつかった。