女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「暗いし、俺たちの顔まではわからないよ」
 正直、優里に指摘されるまで気づかなかった。
「でも……」と優里がまだ気にするが、その時彼女のお腹がギュルルと鳴った。
「……あっ、お腹鳴っちゃった」
 気まずそうな顔をする彼女を見てクスッと笑う。
「すごい音」
「ああ。もう言わないで。恥ずかしい」
 優里が両手で顔を覆うが、その手を掴んで優しく微笑んだ。
「帰ろう。俺も腹減った。帰って優里の生姜焼き食べたい」
「うん」
 はにかみながら返事をする彼女がやっと笑ってくれる。
 この笑顔をずっと守っていこう。
 優里といつものように夕食を食べ終わると、後片付けを手伝いながら食洗器に皿を突っ込んでいる彼女に告げた。
「優里、結婚しよう」
 俺のプロポーズを聞いて、優里がフリーズした。
 ツンと身体を突いたらそのまま床に倒れそう。
「れ、玲人くん、心臓が一瞬止まったんですけど」
 胸に手を当てて驚いている彼女を見て、医者らしく返した。
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