女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 値段を見なくても高いのがわかる。
 私にはキラキラ眩しい。
「そう。優里の指輪を選ぼうと思って」
 玲人くんが私の左手をそっと握ってきた。
「え? 私の?」
 頭がついていかない。
「他の人の指輪選んだって意味ないだろう? 姉貴がこの店ならいいって進めてくれたんだ」
 玲人くんと一緒に個室に案内され、彼と並んで椅子に座る。
 テーブルにはパソコンとカタログと鏡が置かれていた。
「好きなデザインはありますか?」
 店員さんに聞かれたが、今まで指輪をしたことがないので全然わからない。
「好きなデザイン……」と呟いて固まる私を見て、玲人くんがスマートに店員さんに伝える。
「とりあえず、すべてのデザインを見せていただけますか?」
「はい」と店員さんがにこやかに応じ、私たちにメニューを見せる。
「飲み物はいかがですか?」
 え? 宝石見るのに飲み物頼むの?
 ここってそういうシステム?
 カルチャーショックを受けていると、玲人くんが平然とした様子で頼んだ。
「ホットコーヒーをお願いします」


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