女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら～17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます～

「玲人……くん？」
　声に導かれるように目を開けると、幼馴染が私の目の前にいた。
　自分のアパートにいたはずなのに、白と黒を基調とした見知らぬ部屋で寝ていて頭は混乱していた。
「ここ……どこ？」
「俺のマンション。急に気を失って倒れたから、うちに連れて来た。お前のアパートはゆっくり身体を休められる環境じゃないし」
「……ごめん。すぐに帰るね」
　起き上がろうとすると、彼に止められた。
「また倒れる。いいから寝てて」
「でも……玲人くんだって仕事あるでしょう？」
　誘っても断られたし、医者だから忙しいはず。
　私なりに気遣ったつもりなのだが、彼は淡々と返す。
「午後は仕事ないから心配しなくていい。ひどくうなされてたみたいだけど？」
　変なところ見られちゃったな。
「両親が死んだ時の夢見ちゃって……。たまにあるんだ。お騒がせしてごめん」
　苦笑いしながらそう答えたら、彼が私の額に触れてきた。
「謝らなくていい。汗かいたな。着替えないと」