女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「でも、着替え……ない」
 やっぱり自分の家に戻ろう。
 そう思って上体を起こしたら、彼にポンと肩を叩かれた。
「俺のを貸すから」
 玲人くんはベッドの向かい側にあるクローゼットから黒いシャツを出して「ほら」と私に手渡す。
「ありがとう」
「なにか食べる?」
 玲人くんに優しく聞かれ、お腹に手を当てて考える。
「ん……食欲ない。でも、ちょっと喉渇いちゃった。コンビニに行ってなにか買って……⁉」
「だから、寝てろ。これは医者の命令。ベッドから出るなよ」
 厳しい顔で注意され、素直に「はい」と頷くと、玲人くんは寝室を出ていく。
 広いベッド。横幅だけでも、三メートルはありそう。
 きっとこんなのオーダーメイドだろうな。
 玲人くんは身体大きいし、寝具にもこだわっているのかも。お医者さんだしね。
 今何時だろう?
 時計を探すと、壁に掛け時計があって七時十分となっていた。
 外は暗いし、もう夜なんだね。
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