女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら～17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます～

女王さまのような態度で命じて俺の胸をトンと叩く。
　だったら実の弟である俺はどうでもいいのか？と突っ込みたくなった。
　そもそも俺が女嫌いになったのは、俺を下僕のように扱うこの姉と俺に過干渉してくる母親のせい。
　姉は俺がアメリカにいる時でも時差も考えずにパソコンの操作がわからないと電話してきたり、俺に前日になって『私の代わりに診療所行って』と面倒を押しつけてくる。
　母親も母親でもう成人してるのに毎日のように『なにか困ったことはない』と電話をかけてくるし、俺のマンションに勝手に来て冷蔵庫に食材を入れていくのだ。
『だったら姉貴が面倒を見ればいい』
　カチンと来て言い返すが、姉は俺に優里のことを押し付ける。
『玲人が連れて来たんでしょう？　ちゃんと責任持ちなさいよね』
『俺のところにいさせるのは世間体が悪い』
　独身の男と一緒に住むのはマズいだろ。
『それを含めて責任取りなさいよ』
　どこか楽しげに目を光らせて姉がとんでもない発言をするものだから、呆気に取られた。
『は？　なにを滅茶苦茶なことを言っている？』