女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら～17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます～

数時間に及ぶ手術が終わったと思ったら、脳梗塞の急患が運ばれてきてまた手術。
　結局、仕事を終えて家に帰宅したのは、午前五時すぎだった。
　自宅マンションが病院から徒歩三分のところにあるのが救いだ。
　ネクタイを外しながらリビングに行くと、優里がスーツ姿のままソファに横になってた。
「……なんでソファで寝るかな」
　着替えられないくらい疲れて帰ってくるなんて、大丈夫なのか？
　社畜にされているような。
　最近の身体の不調はアパートの騒音だけじゃなくて、仕事も問題なのでは？
　しばらく様子を見るか？
　ハーッと溜め息をついて彼女を抱き上げて寝室に運ぼうとしたら、目が合った。
「……今、何時？」
　唐突に時間を聞かれ、「午前五時すぎ」と反射的に返したら、優里が飛び起きた。
「会社行かなきゃ！　あ～、スーツのまま寝ちゃった！」
　叫んだかと思ったら、すぐにリビングを出ていく。
　呆気に取られ、脱力してソファに横になる俺。
「朝から賑やかだな」
　フーッと息を吐いて目を閉じる。
　十分ほどすると、廊下の方でバタバタと音がして、玄関のドアがガチャンと閉まる音がした。