女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 そもそも玲人くんにしてみれば、意味なんてないのよね。
 ただ単に私の口を封じたかっただけ。その効果は凄かった。
 ただただ驚いて、パニックになって、キャパオーバーでいつの間にか寝てたもん。
 日曜の朝起きたら、玲人くんはいなくて、ダイニングテーブルに【病院に行ってくる。これお前の鍵】と短いメモとマンションの鍵が置かれていた。で、彼が帰って来たのは深夜だったし、私も月曜は忙しかったから、まともに話をしていない。
 玲人くん、ちゃんと食事してるかなあ……って、いつまでもコンビニでボーッとしてちゃいけない。早く会社行って仕事しないと。仕事が溜まっているのだ。
 会計をしてコンビニを出ると、すぐ隣の雑居ビルに入る。
 エレベーターに乗って三階に私の会社がある。紅茶を専門に扱っている商社で、主要取引先はイギリス、中国、フランス、イタリアなど。社員数三十人ほどの小さな商社だ。
 私のオフィスの広さは三十畳ほど。部署毎にパーティションで仕切られていて、私のデスクはオフィスに入って右奥。私の隣の席の人はすでに出社していて、自席に着くと挨拶した。
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